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−春が、すぐそこまで来ていた。

パステルカラーのタイルが敷き詰められた歩道を歩く。
暖かい日溜まりのなか、道端にはいつものように鳩たちが群がっていた。
見慣れた景色、いつもの朝。
ただ、ゆるやかに吹く風に、少しずつの春の訪れを感じさせるものがあった。

「また、少し暖かくなったね」
オレの顔を覗き込んで、あかりが言った。
前髪がちらちらと風に揺れていた。
「もう春だもんね」
「そーだな」
無感動なオレの反応に、なにがおかしいのか、あかりはくすっと笑った。

・・・・・・その背後に迫る、「たいこさん」の影。そーだな、春だし・・・って、え?

こうして、ちょっぴり風変わりな日常が幕を開けた。


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