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  新絵心教室 入門レッスン やってみた

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ちょっと前の話になりますが、ニンテンドー3DSの新絵心教室を始めました(ダウンロード版)。
このレッスンが中々楽しく、移動時間や作業の合間などに少しずつ進めていたのですが、課題絵がけっこう溜まってきたので、ソフトのレビューも兼ねて紹介してみたいと思います。
本ソフトが気になっているけど何となく手を出せないでいる、と言う方は、本記事が購入への一助になれば幸いです。


まず、自分がこのソフトを買った動機は以下の3つです。

  • 普段モノクロ絵(というか落書き)ばかり描いているので、色使いのセンスを磨きたい
  • 背景を書く練習をしたい
  • Painterのようなアナログ画材風のペイントソフトとして使える
私は落書きが趣味なので「多少絵心はあるのでは」という(根拠のない)自負を持っているのですが、普段描くのがキャラ絵(というかギャル絵)ばかりなので背景を描くのが苦手です。たまに一枚絵やマンガを描くときに苦労しているので、ここらできちんとフルカラーの背景の描き方を学んでおきたい、ということで購入に踏み切りました。

このソフトには、自分で好きな絵を描く「フリーペイントモード」と、お題を元に絵を描く「レッスンモード」の2つのモードがあります。売りになっているのは2番目のレッスンモードのようです。
このレッスンモードでは、ビンス先生というキャラが描き方を講義してくれます。完成までの行程をいくつかのステップに分け、ハッチングや空気遠近法などの技法を説明しつつ、実際に動画で筆使いなどを見せてくれるわけです。一見大変そうに見える題材でも、説明を聞きながら描いているといつのまにかそれっぽい絵が仕上がってしまうので、ちょっとうれしくなります。

レッスンモードにも入門コース、応用コース、追加レッスンとあるのですが、今回は入門コースのレッスンを紹介します(というかこの記事を書いている時点でまだ応用コースが終わっていない)。
入門コースのレッスンは全部で9つで、そのうち7つにミニレッスン(本レッスンの復習。説明は比較的簡素)があります。

以下、私が描いた課題絵の下に、元の題材、先生のお手本、の順で画像を掲載しています(自分の課題絵以外はカメラでDS画面を撮影しているので、色調がおかしいです)。



■はじめてのレッスン 「さくらんぼ」 (絵具)
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チュートリアル的なレッスンです。先生の教え方が的確なので、手の早い人なら10分ほどで描き上がってしまうのではないでしょうか。
入門コースの絵具レッスンではあらかじめパレットに色を用意してくれますが、特にこのレッスンではその調色が絶妙です。言われた通りに大雑把に色を置いて筆で馴染ませると、あっという間に本物のような質感が出るのが感動的で、「俺って結構絵心あるんじゃね?!」とモチベーションが上がること請け合いです。
・・・まあその割りに、左の課題絵ではグラデーションを失敗したり、筆を滑らせたりしていますが、この辺はUIに不慣れなせい、ということにしておいてください。
UNDO機能がないので修正するのが大変なんだよ・・・


■レッスン1 「チューリップ」 (絵具)
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引き続き静物画のレッスンです。
ビンス先生のお手本通りに描くとチューリップが暗すぎてイマイチな感じです。「やはり俺に絵心はないのか・・・」と早くもヘコみそうになりますが、終盤の白色を重ね塗りする行程で、先生のお手本よりも写真の明るさを意識して塗るのがいい気がしました。
このレッスンに限ったことではありませんが、ビンス先生はわざと大雑把に(下手っぽく)お手本を描く事が多いです。この辺、初心者への配慮があるようなので、改善の余地があると感じたら積極的にアレンジしていくのが良いと思います。
ちなみに私の課題絵ですが、レッスン終了後に変に手を入れすぎて質感がおかしくなってしまったのが反省点かな。


■レッスン2 「木」 (鉛筆)
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鉛筆デッサンのレッスンです。風景というより木を描くのがメインで、主にハッチングを重点的に練習することになります。
左の課題絵で気付かれてしまったかも知れませんが、私は木を書くのが苦手です。特に葉っぱの部分はどこまで細かく描いたらいいか未だに加減がつかめないでいます。でも幹のハッチングはまあまあうまく描けたかも。
このレッスンでは背景までは描かなくていいのですが、画面がさびしかったのでレッスン終了後に追加で書き込んでみました。


■レッスン2  ミニレッスン「マッシュルーム」 (鉛筆)
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同じく鉛筆デッサンのレッスンです。
ひとつ前の「木」よりかはいい感じに描けたか? やはりハイライトが効果的な絵は画面が絞まります。
全然関係ないですが、本ソフトでは白鉛筆でハイライトを入れられます。子供の頃に使った白鉛筆でそんなことは出来なかった(下地の色がくすむ程度)ので、「最近はそこまで進化したのか!」と衝撃を受け、思わず文房具屋に確認しに行ってしまいました。まあ、相変わらず昔通りの微妙な性能のままでしたが。
でもこの機能のほうが効果的な絵が描けるし、「絵心を育てる」という本来の趣旨からは逸脱してないのでアリだと思います。


■レッスン3 「メロン」 (絵具)
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「はじめてのレッスン」のさくらんぼ同様、先生が用意してくれる色が絶妙です。
メロン表面の繊維質の質感と、上部のハイライトが瑞々しさを強調し、「俺って結構(以下略)」と再びモチベーションが上がってきます。
しかし相変わらず先生のお手本のようなきれいなグラデーション(メロンの影)が作れません。教わった通りにやっているはずなのだが・・・。


■レッスン3 ミニレッスン 「アボガド」 (絵具)
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このレッスンでもアボガドの影のグラデーションに失敗してしまいました。
どうしてもお手本のようにきれいに色を馴染ませられず、「先生何かズルしてるんじゃないのか?」と疑惑が頭をもたげてきます。この辺、実はネットでもたびたび指摘される部分なのですが、その真相はいかに?
アボガド本体はハイコントラストで描いていて非常に楽しく、特に種の裏側に環境光が反射している部分が写実性を高めていて、描いてて楽しかったです。


■レッスン4 「風車」 (鉛筆)
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ようやく風景画のレッスンです。
苦手の風景画ですが、鉛筆単色でなら普段から多少描いているので、このレッスンはそこそここなせた気がします。
ただ、ハイライトは入れているものの全体のコントラストが甘く、ディテール(風車の羽の部分、レッスンでは描き込まなくていいといわれる)にも手を入れる余地があるので、次に挑戦する時にはそのあたりを改善したいです。


■レッスン4  ミニレッスン 「水車小屋」 (色鉛筆)
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このレッスンで初めて本格的な風景画に挑戦するのですが・・・見ての通り中々ひどい出来だねこれは!
特に立ち木や手前の草地の表現がうまくいかず、先生の手心を加えたお手本と比べても大分見劣りする出来になってしまいました。
ちなみに、この手前の草地部分の描き込みではビンス先生がちょっと本気を出してくれます。上手い人との差を実感させられると共に、俺もレッスンを続ければきっと・・・!とやる気を新たにしました。


■レッスン5 「大麦畑」 (パステル)
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パステルに初挑戦するレッスンです。紙をなぞると良い具合にかすれるので、うまくやると写実的な効果も得られるようです(この辺は後のレッスンでより実感できる)。また、視線誘導と構図の三分割法を意識するよう先生に叩き込まれます。
このレッスンでは絵や写真をやる人が何となく理解している空気遠近法をきちんと説明してくれます。
苦手の風景画ですが、先生の言う通り手前と奥のタッチの違いや色使いに気をつけて、多少はマシに描けた気がします。・・・と思っていたのですが、さっきSDカードに出力してPCの画面で見直してみたらそれほどでもなかった。DSの小さい画面がうまいことアラを隠してくれていたのだろうか・・・
このレッスンでも、終了後に麦や雑草の茎を追記してディティールアップしています。


■レッスン5 ミニレッスン 「雲」 (パステル)
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引き続きパステルによる風景画のレッスンです。
一つ前の大麦畑が納得いく感じで描けたので、「早くも風景画の何たるかをつかみかけているのでは!」と一瞬おごった気持ちになったのですが、そんな気持ちを粉砕してくれたのがこのレッスンです。
遠景と近景で質感を変えつつ空気遠近法を駆使して描くわけですが、画面の要素がシンプルな分ディティールでごまかせず、結果としてかなり厳しい出来となりました。特に主役である雲の質感がイマイチなので、もっとパステルの筆跡を残す感じで描いた方が良かったかも、と反省しました。


■レッスン6 「鯉」 (絵具)
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動物を描くレッスンです。
背骨のラインを意識し、全体を単純な立体の組み合わせとして捉えるよう先生に叩き込まれます。この辺は(人間を含めた)動物を描く時の基本中の基本ですね。
さて今回の課題絵の出来ですが、見ての通り鯉本体の出来はパッとしないものの、最後の仕上げに水面の反射を描き込んだら一気にそれっぽくなりました。テクニックを知っているのと知らないのとでは仕上がりが全然違うものなのだなあ、と思い知らされたレッスンでした。


■レッスン6 ミニレッスン 「馬」 (絵具)
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動物を描くレッスンの2つ目のモチーフは馬です。
このレッスンも事前に用意された絵具の色が絶妙で、体のハイライトに敢えてくすんだ色を使うことにより、より写実的な効果を出しています。こういう調色を直感で出来るようになれば素晴らしいんですが、その辺のスキルを習得するのはもっと経験を積んだ後の話になるのだろうなあ・・・。がんばろう。
このレッスンでも、終了後に地面に花や草を追記してディティールアップしてます。


■レッスン7 「彫像」 (鉛筆)
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人体を描くレッスンです。
「レッスンを重ねて画力を高め、いずれはエロ同人作家としてコミケデビュー!」などと前向きな人生設計を持つ人なら興奮を禁じえないヌードデッサンのレッスンです。まあ頭と腕はありませんが。
いきなりリョナ系とは任天堂さんも随分とハードルを上げてきたものだね。いきなり顔とか手とかの複雑なものを描くのはハードルが高かろう、という配慮でしょうか。
このレッスンでは粗い目の紙にハッチングで彫像の質感を描き込んでゆくため、別に女体の艶かしさや柔らかさなどを表現するわけではありません。と言いいつつも内心「もっといやらしくできないか!」と邪念をたぎらせつつ描いてみたのですが、ちっともいやらしくなりませんでした。次回はもっと頑張ります。
このレッスンでも、終了後に表面の細かなへこみや傷を描き込んでディティールアップしています。


■レッスン7 ミニレッスン 「手」 (鉛筆)
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引き続き人体を描くレッスンです。今回のモチーフは"手"です。
かのダヴィンチも手を描くのが苦手だったそうですが、たくさんの節と特徴的な曲線で構成された造形は、そのまま模写するっだけでも結構大変です。私は普段の落書きで手は頻繁に模写しているので、「そこそこ描けるだろ」と踏んでレッスンに取り掛かったのですが、結果として当たり障りのない出来になってしまいました。
手はキャラ造形の説得力や感情表現をグッと高める大事なパーツですし、顔は上手いのに手のデッサンが狂っている絵は萎えてしまうので、もっと修行を積もうと思います。


■レッスン8 「海岸線」 (絵具)
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待望の風景画レッスンです。比較的シンプルな構図で、例によって空気遠近法と、手前~奥でタッチを変えることにより遠近感を出すことになります。
海面に白色を塗った後で筆で擦って波を表現するのが一番のポイントですかね。
例によって先生は手を抜いてくるのですが、その中でも奥にある岩場の丘陵の表現が中々格好良いです。自分でも真似しようとしたのですが、思うように再現できず悔しい思いをしました。
たまに本気を出してくるからビンス先生は油断が出来ません。


■レッスン8 ミニレッスン 「川」 (絵具)
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最後のミニレッスンも風景画です。画面の構成要素が多い上、初めて自分で絵具を調合するので結構大変です(といいつつ、実はパレット画面で調合例を教えてくれる)。
左の課題絵ですが、ディティールでごまかしきった感がすごいですね。細かい筆でチマチマ草を描いてるので見た目よりかなり時間が掛かってしまってます。一方先生のお手本ですが、手前の水面の波の馴染ませ具合や、右奥の立ち木の勢いのある描写など、最小限の手間でより高い効果を出しています。
最小の手間で最大の効果を出しつつ、こだわりのある部分のディティールを心行くまで描き込むのが一番気持ちの良いスタイルかなあ、と、レッスン終了後に思ったりしました。



以上、新絵心教室 入門レッスンの紹介でした。
引き続き応用レッスン、追加レッスンと進めていきたいと思います。


続き→ 新絵心教室 応用レッスン やってみた
続き→ 新絵心教室 追加レッスン やってみた(1)


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