掲載が遅れてしまいましたが、お花見ハイクのレポートです。今回は神奈川県秦野の弘法山公園に行ってきました。
弘法山に訪れるのは今年で3回目となります。
弘法山といえば桜の名所として有名で、この日も、事前に開花予報を確認し、満開のタイミングを見計らっての来訪でした。この辺りから期待度の高さを察してもらえると助かります。
今回のコースですが、小田急秦野駅からスタートし、浅間(せんげん)山、権現(ごんげん)山、弘法(こうぼう)山、吾妻(あずま)山を経て鶴巻温泉駅に至るルートです。ゆっくり歩いても2時間くらいで踏破できてしまう上、駅と登山口の間が歩いて20分程度と、交通の便もやたら良いお手軽コースです。
最初に言っておきますが、今回記事の構成がやや変則的なものになっています。ちょっとわけありのためご容赦ください。
さて、山好きにとって神奈川西部といえば箱根、そして丹沢であり、新宿/横浜方面から順当に移動してきたハイカーは、海老名あたりから車窓に現れる丹沢山系に思わず心拍数を高くしてしまう性質がある、といいます。弘法山は丹沢山系ではないですが、線路から近いので東海大学前辺りから車窓いっぱいのパノラマとなって広がり、訪れた登山者をして「やはり山だな!」等のストレートすぎる感慨を抱かせる、妙に存在感のある面構えの山です。
その日、小田急線に揺られながら車窓を眺めつつ「やはり山だな!」とストレートな感想を洩らしていた私ですが、どうも期待していた風景と違う、この時期の弘法山なら、稜線に沿って桜の淡いピンク色が浮かび上がっているはずなのですが、それが見当たりません。嫌な予感がしたものの、「もしかしたら見る角度の問題なのかも」とよくわからない推論で自分を誤魔化しているうちに秦野駅に到着しました。
駅の蕎麦屋で腹ごしらえをした後で出発したのが11時くらい。あいにくの曇り空で、気温もかなり低い(深呼吸すると息が白くなるほど)ですが、花見の時期にはよくあることなので気にしません。
水無川沿いに進むと、すぐに浅間山の山肌が眼前に迫ってきます。
橋の上から撮った一枚。こういうささやかな風景にしみじみと春を感じられるような大人になりたい(既にいい年なのは置いておいて)。 |
弘法山登山口には親子連れや年配の夫婦などが何組もいて、改めて弘法山の人気の高さを実感しました。皆さん、家族でのお花見を楽しみに来ているのでしょう。
急勾配の山道を10分ほど登り、尾根道に出ると、お待ちかねの桜並木ゾーンは目前です。ちなみに過去(2011年)に撮った尾根道の様子は以下な感じでした。
一昨年(2011/4/10) ここまで登ってきた苦労が報われる、良い風景 |
しかし、息を切らせて急な山道を登り切り、期待を込めて尾根を見渡した私の目に映ったのは・・・
今年(2013/3/30) ここまで登ってきた苦労が報われない、良くない風景 |
「この異常な光景すべての中に、途方もない秘密、そして意外な事実があらわにされる可能性をほのめかすものが、あまねく執拗に存在していた。(中略)-わたしはあの恐るべき山峰を狂気の山脈と記さなかっただろうか。」
H.P.ラブクラフト「狂気の山脈にて」 |
・・・などと、先走って大仰な引用をしてしまうのも無理からぬ、非情な光景がそこにありました。見渡しても、桜の花はぽつぽつと目に入る程度しか咲いていません。最初は開花時期を間違ったのかと思ったのですが、そうでなく、花の絶対数自体がかなり少ないようです。枝についた花はほぼ全て開花しており、確かに日本気象協会tenki.jpとかの言うとおり満開状態には違いないのですが、できたら来年からは「例年と比較した開花状況」みたいなパラメータもつけてくれよ!と思わずにはいられない光景でした。
わかりやすいように、一昨年(2011年)の浅間山からの眺めと比較してみます。
一昨年(2011/4/10) |
今年(2013/3/30) |
今年の桜前線は10日ほど前倒しでの進行だそうなので、これでも同じ満開状態 |
両者の違いは一目瞭然ではないでしょうか。思わず
「何があった、弘法山!」
と事の経緯を問いただしたくなる眺めです。単に気候の問題なのか、そうだとしても、もうちょっとやりようがあったのではないか、もしかして、弘法山にも何かいたらない部分があったのでは? そんな気さえしてきます。
というわけで今回、急遽企画を変更し、「弘法山、春の反省会2013」と題して、今年の開花状況の検証を行ってみたいと思います。「勝手に反省会とかキモすぎるwwwwゲハかよwww」「あるいは売りスレかよwww」という意見もあるかと思いますが耳を貸しません。「大自然の営みに人間が良し悪しをつけるなんて傲慢な行為なのではないか」と思ったあなた、はい死んだ!今弘法山のやる気が死んだよ! そう、最良の結果とは常に最大限の努力によってのみ得られるべきものであり、その逆もまた然りなのです(←もう自分でも何を言っているかよくわかっていない)。
と言うわけで以下、過去(2011もしくは2012年)の風景と、今年2013年の風景を比較してみたいと思います。
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