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  城ヶ島探検ハイク! 島の密林に謎の農耕地は実在した!! (2/3)

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引き続き、奇岩が連なり、波が打ち寄せる崖下の海岸を進みます。

この辺りの岩場にはフナムシがたくさんいて、岩の表面でワサワサと蠢いています。
これは全然関係ない話ですが、フナムシは英名でまんま「埠頭のゴキブリ」という全く捻りのない名前で呼ばれるそうです。ただ、私はゴキブリは嫌いですがフナムシは割りと好きです。崖一面に群ってサワサワとたなびく集団が、人が近づいた瞬間に一糸乱れぬ動作ですばやく岩影に逃げ込む様はテレパス能力を疑うシンクロ具合ですし、そのまま見張っていると10秒とたたずに「もう大丈夫かな?」とソロソロ這い出してくる堪え性のなさも何となく和むものがあります。何より、ゴキブリと違って人間の生活圏に積極的に干渉してこない点が好印象です。・・・などと先日まで思っていたのですが、この前Wikipediaの記事にて「フナムシは、海岸で寝ている人間に近づいて噛み付くことがある」という衝撃的な生態を知ってしまいました。
何てことだ、話が違うじゃないか!臆病なふりをして密かに人間を捕食対象として見ていたんだな、この人食いフナムシ野郎!歩くネストアイランド!磯辺のクリープショー!
こうなるともう、和みの存在どころかショッキラス(古すぎる!)にしか見えなってきます。
もしフナムシが自分達の攻撃力、機動力、そして統率力を自覚してしまう、という状況になったら、例えば海辺に近づく人間を岩場の影から徐々に包囲ししつつジッと隙を伺い、突然ワッと襲い掛かってあっという間に骨だけにしてしまう、ということが絶対に起こらない、とは誰にも言い切れないのです。
とは言うものの、私が生きている間にフナムシがそういった恐るべき進化を遂げることは多分ないと思うので、じゃあ別にいっか、と思い直しました。
こう言うどうでもいい話題を掘り下げて考えてしまうのも旅の醍醐味と言えます。

さて、観光地らしからぬ秘境的ムード全開のハイキングコースを進むと、前方に灯台が見えてきました。観光案内にも載っている安房崎灯台です。正直、いつ本当に通行止めになるかとヒヤヒヤしながら歩いていたのですが、この時点でようやく公式の順路に合流できたことを確信しました。
IMG_5274.jpg 安房崎灯台は島の東の端に立っています。周囲は広い岩礁地帯になっていて、入り組んだ岩場に打ち寄せる波がしぶきをあげています。場所によっては足を踏み外すと危ないような段差や断崖もあるのですが、そんなことお構いなしにたくさんの家族連れや年配の夫婦、カップルなどが歓声をあげていました。
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IMG_5276.jpg そしてここにも釣り人です。どうやって渡ったのか、海岸から離れて立つ岩の上で竿をふっていました。そういえば伊豆の城ヶ崎や江ノ島でも、絶壁や満ち潮の岩礁といった悪所で糸を垂らす釣り人をよく見かけました。ああいう場所だと、地形や潮の流れが特殊だったりの理由で魚の食いつきが良いのだろうか、と以前は思っていたのですが、最近は、「俺はこんな所で釣っちゃうもんね」「ヤワな釣り人とは気合が違うもんね」と言う、ある種虚栄心的なものが少なからず働いているのではないか(スゴイ失礼)と疑っています。私は釣りはやらないので真相はいまだ不明のままです。

・・・しかしこの辺、海や釣りをネタにするとどうしても「怪しい雑魚釣り隊」椎名誠先生っぽい流れになってしまいますが、パクっているわけではないのです。念のため。

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さて、岩場の景色はテンションが上がりますが、そろそろ木々や草の緑が恋しくなってきたので、崖の上の高台に上がることにしました。

IMG_5294.jpg 城ヶ島は東西に長い島で、北側の市街地を除くと、周囲を高い崖に囲まれた台地状の地形をしています。そして、その東部全体が県立城ヶ島公園の敷地になっています。
城ヶ島公園は完璧なまでに管理が行き届いたきれいな公園です。青々とした芝生の広場で家族連れがくつろぎ、見晴台でカップルが肩を並べ、島の猫を子供がつつく、幸せの風景が広がっています。最初のワイルドすぎる崖下のコースは一体何だったんだ、と格差を感じずにはいられません。これがいわゆる山の手というヤツなのか・・・!
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島の猫特集

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城ヶ島の猫は人に慣れている。江ノ島もそうだが、本土に近い島の猫の生態と言うのは、全国的にこんな感じなのだろうか。


IMG_5336.jpg 太平洋側からの強風で傾く松の木立。最初見たときはマイケル・ジャクソンのゼロ・グラビティかと思ったよ。ッポゥ!
そのまま公園の順路を辿って島の中央部(出発地点のバス停の辺り)まで戻りました。
公園の駐車場を過ぎた辺りにある馬の背洞門方面への分岐を左折すると、舗装道路は終わり、島の西側、城ヶ島灯台へ至るハイキングコースに入ります。太平洋に面した海岸線をたどる1時間強ほどの自然探求コースです。

先に書いた通り城ヶ島は周囲を崖に囲まれた台地になっています。台地の上の大部分は人より背の高い植物(ハチジョウススキというらしい)の密生で占められており、その茂みが断崖に達するふちにそって順路が作られています。強い海風に吹かれながら、広々とした崖の道をのんびり歩く開放感は、山歩きとはまた違う面白みがあります。
崖の上から見渡すと、入り組んだ断崖と海岸線、太平洋、そして沖を行き来する漁船などを一望する見事な情景が広がっています。上空に視線を向けると、太平洋からの海風に乗ったとんびが何羽も滞空していました。
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所々に高台から崖下に降りる道があり、下におりると、砂浜と岩礁が広がる海岸になっています。太平洋の波に洗われるせいか岩礁の潮溜まりは澄んでいて、色々な海の生物を観察できます。鮮やかな色の海草やイソギンチャクが波に揺れ、数センチ程の小魚の群れが潮溜まりに取り残されて右往左往していたり、10cm以上ある大きなカニが波打ち際をノソノソ動いていたりして、思わず見入ってしまいます。
砂浜には、小さなテントに上半身をつっこんで昼寝している人がいてちょっとうらやましくなりました
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もう今日はここで一日中ずっとダラダラしていたい!という気持ちになりかけたのですが、そろそろお腹も減り始めたので、先に進むことにしました。
IMG_5360.jpg 馬の背洞門。「岩が脆いので上を渡ってはいけない」と注意書きがあるのだが、その割に何人もの人が歩いた形跡があった。注意書きは守れ!
ハイキングコースは基本的に一本道なので迷うことはありませんが、時折、島の内側、茂みの奥に続く細い脇道があるのに気づきました。裏道、人気のない道大好きな私としては、思わず分け入って行きたい衝動に駆られます。

海岸沿いを1時間ほど歩くと、前方に城ヶ島灯台が見えてきます。
灯台の手前で海岸方向と市街地方向に道が分岐していたので、先ほどから気になっていた茂みの道を歩いてみることにしました。

IMG_5396.jpg 左右から背の高い草が覆いかぶさる半トンネル状の道を進むと、密生を大きくくりぬいた空間に出ました。畑です。
城ヶ島は漁業と観光の島ですが、こんな所で作物を育てている人もいるのか、と少し意外に思いました。私の背よりも遥かに高いササやススキが四方を壁のように囲み、日照は制限されますが、海風を防ぐ防風林のような役割を果たすのかも知れません。
この時はそれ以上深く考えずに素通りしたのですが、後々この光景が大きな意味を持つことになります。


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