徳倉山に到着。この山頂からも駿河湾がよく見渡せます。
そろそろいい時間なのでこの辺で飲酒タイムに突入です。凍結直前まで冷やし、断熱ケースに入れて持参したビールがまだよく冷えています。朝から急勾配と灼熱地獄に晒され、汗を流しまくってここまで来たのですから、プルタブに添えた指がアル中患者のように期待でプルプル震えてしまいます。
プシュッと開栓。鼻腔の奥にアルコールの刺激的な香りが直撃し、あふれ出る泡を口ですくって、そのまま黄金色の幸せ飲料を喉の奥に流し込みます。
ひたすら時間と労力をかけて自分の足で登ってきてようやく見ることができる、そんな良い風景を堪能しながら飲むビールは本当に格別です。ぶっちゃけこの瞬間が山歩きに期待する要素の3~4割を占めるといっても過言ではありません。記事冒頭で、山歩きの楽しさを生理学的アプローチにより考察したような気もしますが、そんなことはもう忘れました。
サンドイッチをつまみにビール1缶500mlをきっぱりと飲みきり、一休みした後で、徳倉山山頂を後にしました。次の目的地、横山を目指します。
山道を下っている途中で石造りの小さな祠を見かけました。
そしてその古びた祠の脇に、靴が二足、きちんと並べて置いてありました。ここを訪れた登山者が、脱いだまま忘れてしまったのでしょうか。うっかり者もいたものだなあ(棒読み)。
もちろん速やかにその場を離れたのは言うまでもありません。何となく背後から妙な気配を感じないでもないですが、こういう場合振り向いたら負けです。うかつに振り向こうものなら、
「靴の位置が一歩踏み出したようにズレている!」
あるいは
「靴だけが狂ったようにこちらに走り寄って来る!」
などの必要以上に禍々しい光景を見せられる可能性が大です。そんなことになっても誰も責任を取ってくれないので、視線をひたすら進む先に固定したまま前進しました。
つい数分前までは 「森歩きは涼しくて快適だなあ、足元で揺れるかすかな木漏れ陽にも癒されてしまうよ」 などと思っていましたが、今となっては 「森歩きは薄暗くて心細いなあ・・・濃い植生が邪魔して日差しが十分届かないよ」 のように大分後ろ向きな態度にすり替わってしまっています。
例えば誕生日や成人式など、その人の境遇をポジティブに解釈させる作用が"祝い"であるなら、その逆は言うまでも無く"呪い"です。ただそこに靴を二足置いておくだけで、見た者をここまで陰鬱な気分にさせるのですから、「呪いは、実在するっ!」と田中信夫(誰?)のうわずった声で断言してしまっても問題ないでしょう。
本当に勘弁してほしいです。
気を取り直して進みます。
横山に到着。山頂の見通しは悪く、一休みするような気分でも雰囲気でもなかったので、そのまま素通りしてしまいました。
この横山前後にはかなり勾配のきつい箇所があり、特に沼津駅側から登ってきたハイカーは地獄のような傾斜を味わうことになるかと思います。事実、途中ですれ違った大型犬を連れたお兄さんは、今にも死にそうな顔をしていて、挨拶するのをためらったほどでした(犬の方は全然平気そうだった)。一方、今回の私のように南側から歩いてきた人は、ホイホイと下りていけるので楽ちんです。
山道を下り続けると、前方から聞きなれた音が聞こえてきました。エンジン音です。
横山と香貫山の間は車が行き交う太い車道が通り、沼津アルプスを分断しています。山歩きに求めるスピリチュアルさとは縁遠い光景ではあるのですが、先ほどの負のパワースポットとでも言うべきプチ呪い現場の後なので、何となくホッとする部分もありました。
車道に沿って200~300m歩くと、右手に香貫山登山口の標識があり、そこから再び登山道に入ります。
山道と舗装道路が交互に現れる斜面をしばらく歩くと、香貫山の頂上です。
そろそろいい時間なのでこの辺で飲酒タイムに突入です。凍結直前まで冷やし、断熱ケースに入れて持参したビールがまだよく冷えています。朝から急勾配と灼熱地獄に晒され、汗を流しまくってここまで来たのですから、プルタブに添えた指がアル中患者のように期待でプルプル震えてしまいます。
プシュッと開栓。鼻腔の奥にアルコールの刺激的な香りが直撃し、あふれ出る泡を口ですくって、そのまま黄金色の幸せ飲料を喉の奥に流し込みます。
ひたすら時間と労力をかけて自分の足で登ってきてようやく見ることができる、そんな良い風景を堪能しながら飲むビールは本当に格別です。ぶっちゃけこの瞬間が山歩きに期待する要素の3~4割を占めるといっても過言ではありません。記事冒頭で、山歩きの楽しさを生理学的アプローチにより考察したような気もしますが、そんなことはもう忘れました。
サンドイッチをつまみにビール1缶500mlをきっぱりと飲みきり、一休みした後で、徳倉山山頂を後にしました。次の目的地、横山を目指します。
山道を下っている途中で石造りの小さな祠を見かけました。
もちろん速やかにその場を離れたのは言うまでもありません。何となく背後から妙な気配を感じないでもないですが、こういう場合振り向いたら負けです。うかつに振り向こうものなら、
「靴の位置が一歩踏み出したようにズレている!」
あるいは
「靴だけが狂ったようにこちらに走り寄って来る!」
などの必要以上に禍々しい光景を見せられる可能性が大です。そんなことになっても誰も責任を取ってくれないので、視線をひたすら進む先に固定したまま前進しました。
つい数分前までは 「森歩きは涼しくて快適だなあ、足元で揺れるかすかな木漏れ陽にも癒されてしまうよ」 などと思っていましたが、今となっては 「森歩きは薄暗くて心細いなあ・・・濃い植生が邪魔して日差しが十分届かないよ」 のように大分後ろ向きな態度にすり替わってしまっています。
例えば誕生日や成人式など、その人の境遇をポジティブに解釈させる作用が"祝い"であるなら、その逆は言うまでも無く"呪い"です。ただそこに靴を二足置いておくだけで、見た者をここまで陰鬱な気分にさせるのですから、「呪いは、実在するっ!」と田中信夫(誰?)のうわずった声で断言してしまっても問題ないでしょう。
本当に勘弁してほしいです。
気を取り直して進みます。
横山に到着。山頂の見通しは悪く、一休みするような気分でも雰囲気でもなかったので、そのまま素通りしてしまいました。
この横山前後にはかなり勾配のきつい箇所があり、特に沼津駅側から登ってきたハイカーは地獄のような傾斜を味わうことになるかと思います。事実、途中ですれ違った大型犬を連れたお兄さんは、今にも死にそうな顔をしていて、挨拶するのをためらったほどでした(犬の方は全然平気そうだった)。一方、今回の私のように南側から歩いてきた人は、ホイホイと下りていけるので楽ちんです。
山道を下り続けると、前方から聞きなれた音が聞こえてきました。エンジン音です。
人里だよお母さん! |
車道に沿って200~300m歩くと、右手に香貫山登山口の標識があり、そこから再び登山道に入ります。
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